【質問】因果関係の錯誤のあてはめ

因果関係の錯誤において、「行為者が認識した因果関係と実際の因果関係とが相当因果関係の範囲内で符合している場合に、故意が認められる。」とされていますが、「相当因果関係の範囲内」とはどういう意味なのでしょうか。どのような事実に着目し、どのような流れであてはめをすればよいのでしょうか。

ご教授のほどよろしくお願いいたします。

「【質問】因果関係の錯誤のあてはめ」への2件のフィードバック

  1. 弁護士の林です。刑法は全く得意ではないですが誰も回答しないので回答します。
    因果関係について相当因果関係説に立つ場合(③)、
    ①事実の錯誤において、構成要件的に符合していれば故意を阻却しない(法定的符合説)。
    ②因果関係は構成要件要素である。
    ③構成要件要素としての因果関係は条件関係+相当性(実行行為から構成要件的結果が発生することが異常・不相当でないこと)で判断される。
    ④行為者が認識認容した因果経過(A)について③を肯定でき、実際の因果経過(B)について③を肯定できれば、AとBは構成要件的に符合するため故意を阻却しない(①)。
    前半の質問は以上の④のことではないでしょうか。
    例えば、高層ビルから突き落として地面に衝突させて殺そうと思っていたが(A)、実際はビルの壁に頭をぶつけて死亡した(B)という事例について、③を危険の現実化(実行行為の危険性が結果へと現実化したかどうか)で考えた場合、AもBも高層ビルから突き落とすという実行行為の危険性が死亡という結果へと実現したといえるため、因果関係は構成要件的に符合しているので殺人の故意を阻却しないということかと思います。
    当てはめは主要な裁判例をご自身で検討して欲しいのですが、手順としてはア:Aの因果関係を検討、イ:Bの因果関係を検討、ウ:アとイが共に「刑法上の因果関係あり」ならアとイは構成要件的に符合するので故意を阻却しない、となるように思われます(要するに、因果関係の当てはめを2回行うということです)。
    その他、砂末吸引事件やクロロホルム事件などの特殊事例は判例を検討してみてください。
    以上について、刑法が得意な方がいらっしゃったら補足又は訂正してください。

    1. 林 祐樹 先生

      丁寧にご回答いただきありがとうございます。
      回答がなかったので、自分の質問が悪いのかなと心配しておりました。
      百選に載っている「因果関係の錯誤」という表題のものおよび「早すぎた結果の発生」のクロロホルム事件について、前者はカタカナで理解しにくく、後者については掲載判旨中に錯誤の当てはめがありませんでしたのでよくわからず質問させていただいた次第です。
      もう一度、百選の解説を読み直します。

コメントを残す