2016年度法律文書錬成講座を振り返って

平成28年度法律文書錬成講座の採点・添削を担当いただいた修了生(弁護士・修習生)を対象に、本企画についてのアンケートを実施しました。
あくまで企画に対する感想として寄せられたものですが、受講者に参考になると思われるものを一部ご紹介いたします。
受講された皆さんからも、感想や要望などがありましたら、コメントをお寄せください。

●文書作成技術は一朝一夕で身につくものではないので、試験の直前期に行うのではなく、1年生の段階から常時訓練するべきものであると思う。

●司法試験の合否には、「どの論点をどれくらい書けたか」よりも、「(1)事実の分析により争点を抽出し、(2)当該争点に関係する法律の要件を解釈して法規範を導出し、(3)与えられた事実を抽出・評価して当該法規範に適用する」という、いわば定型化された書き方をどれだけ守れているかが重要であるため、その点を重視した採点をするよう指針を統一した方がよいと思う。

●法律文書の錬成、書き方というよりも、論点の理解について添削を行う部分が多かったです。難易度を下げたり、論点の数を少なくしてもよいかと思います。
また、試験のための講座という点を考えると、初見の問題を限られた時間で手書きで作成し、完成させるということ自体に意味があると考えます。引き続き時間制限を課して、手書きでの作成をさせるやり方が望ましいと思います。

●本講座の目的は法律文書作成能力の向上であり,法的論点を正確に理解しているかどうかではなく,論点を理解していることを前提としたうえで,それをどのように表現すれば採点者からの評価が高くなるかという点に主眼があり,(中略)
ところが,実際に採点を行うと,論点を大外ししたり,間違った理解をしていたりする結果,「こういう論点がありますから,復習しておいてください」,「ここはこのように理解すると思います。判例をよく読んでおいてください」といった指導で終わってしまい,答案上どのように表現すれば評価が高くなるかという部分の指導・添削にまで至らない答案が多くありました。
「ここはこう書けばもっとわかりやすいですよ」,「ここはこのように構成を変えてみたらどうですか」といった添削に至らなかったのは,非常にもったいないことだと感じました。

●採点基準がやや厳格で、裁量で振れる点が少なかったために、理屈は通っているが採点基準とは異なる論じ方をしている答案について、非常に点数が低くなったものがありました。

●配点の内容にもよりますが,出題者以外の者が採点を行った場合,裁量の幅がなくなり,構成としてあり得るものについても低評価をつけなければならない場合が多々ありました。

●問題が難しかったり、最新判例を知っておかなければ書きにくかったりする問題があり、そもそも的外れなことを書いてしまっている答案が多かった。
あくまでこの企画は答案に対する指導であって、法的な論点の解説をするものではないので、内容自体はかなり易しく(ただし単一論点にせず、ある程度の分量の答案となるように)、とりあえずどんな学生であっても一応の答案は作成できる程度の難易度にした方がよいと感じた。
どの採点者もかなり詳細な添削をしていたので、あえて点数を付ける必要はなく、それぞれのコメントを見てもらうことで足りると考える。