第一次リスタートの会(次年度の短答式に向けて)

去る平成29年8月1日に開催しました第1次リスタートの会の内容の骨子です。
次年度の短答式に向けて,示唆に富む内容が多く含まれていますので,皆さんと共有したいと思い,アップします。
参加いただいた修了生,チューターの方々には感謝を申し上げます。

日時:平成29年8月1日(火)午後6時から午後8時00分
場所:大阪西総合法律事務所 会議室
出席者:修了生2名(いずれも未修,2016年度修了生)
チューター:70期修習生,3回目合格,1回目短答落ち

【概要】
(修)自己採点で,一応,短答は114点だったが,論文が全然駄目だったので,参加を希望した。直前模試で80点台を取り,ビビって直前は短答の勉強だけになり,結局,論文に手が回らなかった。来年,短答の合格点を取る自信はなく,どこまで上げればよいのか,どうすれば上がるのかを聞きたくて参加した。
(修)104点で不合格だった。実際に受験してみて,短答の勉強方法が駄目だったと感じており,どうすればよいかを聞きたくて参加した。
(チ)ローの間に,短答はどのような勉強をしていたのか。
(修)3年生の5月ころから,二週間1回程度,範囲を決めて,短答過去問を解き,間違った問題をお互いに出し合う形のゼミをしていた。
(修)3年の12月までに,3科目の肢別本を3,4周した。
(チ)勉強をしていないのは論外だが,勉強に対する意識,方法が間違っていて,勉強していても伸びないはもったいない。阪大ローの修了生であれば,正しい方向,方法で勉強していれば,十分に合格できる試験である。
   肢別本を使うのは授業と並行して知識の確認をするのには良いかもしれないが,短答式の受験勉強としては考えるべき点だと思う。
   また,肢別本で,間違った問題を出し合うゼミというのも,効率がよくないと思う。
(チ)短答は,100点を取っている者はほとんどいない。必ず捨て問がある。
   合格点を見れば,各科目とも必要な点数は,それほど高くはない。正答率が高い問題を落としているのではないか。みんなが正解している問題を,正解していれば,150点代も不思議ではない。
(チ)自分も,1回目は,全てやらなければならないという強迫観念があったが,冷静に分析すれば,正答率が高い問題を確実に正解すれば,十分であると認識することができ,勉強法が変わった。
(チ)確実に解かなければならない重要な問題の識別ができずに,平板になっていたのではないか。肢別本の場合,その肢の○×に意識がいってしまい,受験の戦略としては不味い面がある。
   私の場合,年度別本で,かつ問題としての正答率,肢ごとの正答率が分かるものを利用した。これにより,正答率が高い重要な問題,その問題を解く多くの受験生の思考(どの肢を手がかり,どういう選択,思考をしたか。)をチェックした。
(修)具体的には,どう利用したのか。
(チ)まず,問題文の上の方に,正答率を転記するようにして,大事な問題のみを繰り返しやり,確実に定着,理解するように努めた。正答率が低い問題は,理由はいろいろあると思うが,基本的には,悪問,内容が難しい,内容が簡単でも解く手順に時間がかかるなど,コストパフォーマンスが悪い問題と割り切った。
   受験勉強の戦略からすれば,正答率の悪い問題は有害といってしまってもよいかもしれない。
(修)授業の小テストなどで肢別本から出題されていることもあり,肢別本が手元にあったのでそれを使用していた。年度別はほとんど手がつけられず,不十分だった。
(修)問題集の選び方や,正答率といった点にあまり関心がなかったので,今の話しは,大変参考になった。
(チ)合格者からすれば,他の受験生との比較,自分の立ち位置というのは重要なことで,気にしておくべきことなので,今からでも意識をもって勉強して欲しい。
   問題集や,正答率,勉強方法などは,先輩や同級生と話しはしないのか。
(修)未修同士で勉強していたので,そういう話しを聞くことはなかった。
(チ)今更となってしまうが,そういう話しは,先ほどの他の受験生のレベルを知る上でも大切なので,やっておくべきだったことかも知れない。修習生でも,やはり自分の勉強,考え,方向性が合っているかは,他の修習生と議論をしないと分からない。積極的に関わるべきと思う。
(チ)問題を解くテクニック的なもの,捨て問の見切りや短時間で確実に肢を絞り込む手順などは,年度別で養うことができる。それも,正答率が高いものを意識すべきである。
(修)意識すべき正答率は,どの程度か?
(チ)合格するだけなら,正答率70%以上が目安になるかと思う。人によっては80%で足りるという者もいた。不安で,確実にと思うのであれば,60%を目安にすればよいのではないか。40%を切るような問題はコストパフォーマンスが悪く,短答においては,合否や上位合格に直結しないと割り切ってよいと思う。
   絶対に落とせない肢は何か(正答率100%という肢もある。),それを短時間で処理し,時間が掛かるが解ける問題に時間を割くようにコントロールしなければならない。
(修)年度別本をやるとして,どのようにやればよいのか。
(チ)人それぞれであり,確実に定着させ解けるようになるやり方というのが答えになる。それを考えるのも勉強なのだが,そういってしまうと見身も蓋もないので,私のやり方をお教えする。
(チ)年度別は,3回ほど回した。「ほど」というのは正答率の低い問題は,やっていないためである。1回目は,正答率にかかわらず全部解き,解説を十分に読み,内容を理解し,覚えるべきことは覚える。さらに,正答率,他の受験生の解き方を確認した。
   2回目は,間違った問題で正答率の高い問題だけをピックアップして行った。3回目は,直前期に,全問を解き,捨て問の感覚を掴むようにした。メリハリを付けることが大切。
(修)短答のゼミはやったのか。
(チ)やっていない。短答は自分でやるべきことと考えていた。先ほど,間違った問題を出し合うゼミをやっていたということだったが,そうなると正答率の低い問題をピックアップして,あーでもないこーでもないとなっていなかったか。効率が悪く,戦略としては間違っていたのではないだろうか。 
(修)受験してみて,そう思った。間違った問題の正答率や意味を考えてやるべきだったのに,それが出来ていなかった。反省材料だが,早いうちに,そういう指摘をしてくれる機会が,なかったのは残念だった。
(チ)再チャレンジ勉強会などで,弁護士アドバイザーとは,そういう話しにならなかったのか。
(修)再チャレンジは,答案の書き方や内容がほとんどで,短答について聞こうという気がなかった。
(チ)修了生勉強もあるので,機会を活かして,何でも聞くのがよい。
   ところで,担当用には,どのように情報を集約していたか。短答の前日の夜は,3時間くらいしか勉強できる時間がない。その時間内に,見直しができるよう,気になったところが直ぐに調べられるよう情報を整理しておくことが大切である。
(修)特に担当短答用というのは作っていない。
(修)判例六法にラインや書き込み程度であった。
(チ)条文判例解説やまとめ本があるので,利用できるものは利用すればよいと思う。
模試のときも,開始前にそれを見直すなど,本番を同じ行動をすべき。今年,困らなかったか。
(修)見直すものがなく,困った。
(修)六法への書き込みでは,情報量が少なく,結局,ノートや本を見直さなければならなかった。
(チ)試験では,何が起きるか分からない。トラブルがあるものとして,準備しておくことが大切。実際,私が受験したときも,同室の受験生が倒れるなどして,試験が中断するなどトラブルに見舞われた。
   とにかく,優先度がたかいところから実行する。苦手なところからやるということを直ぐに始め欲しい。
(修)勉強は,憲法,民法,刑法を同時並行でやるのがよいのか。憲法を勉強しているときは,憲法だけ固めてやるという感じだった。
(チ)どれくらいの時間を掛けてやるかによるが,少なくとも本番では,1日で3科目を解かねばならない。頭の切り替えも大事だし,175点のうち民法が75点を他の科目より配点が大きいことを考えれば,自ずとペースは決まるのでは。私は,短答の勉強は,同時並行で,時間配分は,民法10に対し他2科目6という感触でしていた。少なくとも,年明けくらいからは,各科目に毎日触れるように心がけていた。もちろん論文模試があり時間がないときは,割合を減らしたが,優先度は常に意識した。
   要領のよい勉強を考えて欲しい。
(修)実は,今年の問題は時間切れになることが多かった。時間配分はどうしていたか。
(チ)肢を切るテクニックに問題があるのかも知れない。肢全部を解いていないか。確実な肢から飛び石である程度肢が絞れるはず。時間切れになる場合は,たいてい,正答率の低い難問に手こずり,正答率の高い問題が確実に解けず,点数が伸び悩むことになる。捨て問,他受験生ならどうかという視点は大切である。
   確実な知識があり自信があれば,1分程度で正解にたどり着く問題も多い。やはり確実な基本知識を少しでも増やしていく必要がある。そのヒントになるのが,正答率と考えてもらっていいと思う。
(修)不合格が分かり,再挑戦するにあたって,メンタルはどうだったか。
(チ)人間である以上,感情や精神面での揺れがあることは当然と思い,客観視するよう心がけた。マイナスなときに,無理にしても身に付かない。その時は,資料の整理や勉強方法を考えるのも,重要な勉強であることを思い出し,一生懸命やって欲しい。
(修)勉強へのモチベーションは。
(チ)休むべき時は休むという割り切りは重要。だらだらしても身につかない。休養日は設けてもよいと思う。
方法を間違えなければ,絶対受かる試験である。修習生のレベルも,受験生が思っているほど高くはない。阪大ローを終了したレベルであれば,十分に圏内である。やるべきことをきちんと考えて実行すれば,大丈夫である。
9月には第2次リスタートの会もあり,そこには多くの修了生や本年度の合格者が参加すると思う。是非,参加して,いろいろな人の話しを聞いて,頑張って欲しい。

【参考資料】
上記の報告とは別に、同様の趣旨で実施された他大学の報告会のレジュメ、本研究科修了生で不合格経験者によるレジュメを参考として添付します。
各学年の夏休みにすべきこと(他大学企画)
勉強方法について(本研究科修了生)