令和3年の司法試験にあたって

修了生の皆様へ

川上です。

令和3年の司法試験まであと1月とちょっとになりました。皆さんも,ラストスパートに全力を尽くしているものと思います。

昨年も司法試験にあたっての雑文を投稿していますので,少し疲れて休憩するときにでも目を通していただければ幸いです(昨年と今年で,試験に臨むにあたってが異なることは,もちろんありませんので。)。

言うまでもないことですが,司法試験は,問題の難易度が高く,年に一度しかないというハードルの高い試験です。

とは言え,決して受からない試験ではありません。本学を修了した皆さんであれば,合格水準に足りるだけの能力,知識を有しています。あとは,それを本番でどう表現するかです。

本番で最高のパフォーマンスを発揮するためには,皆さんが思う以上に,体力・精神力が要求されます。これからの1か月は,健康第一,体調管理に十分に意を用いてください。

精神論だけでは激励にはなりませんので,一点だけ対策について述べさせていただきます。

ご承知のとおり,民法の改正(債権法,相続法)が立て続けになされています。既に施行後,概ね1年ですので,改正部分は試験に出ないは通用しません。特に,短答式では要注意です。

新設条文はさすがにまだ判例がありませんので,聞くとすれば,直接,条文の要件・効果を問うてくるはずです。これは,知っていればものの十数秒で回答できますが,知らなければ考えても無駄となります。その1問が雌雄を決する恐ろしさを味わうことがないように,とにかく条文は最後の最後まで丁寧に扱って勉強してください。

民法を例としましたが,その他の科目を同じです。

我々実務家が,仕事で法律論を闘わせるとき,空中戦は行いません。例えば,「売買契約上の説明義務があるはずだ。」と主張しても,「そんなん条文にありません。」です。まず,コンセンサスが得られる共通の土俵である条文から議論を出発させます。「民法555条に売買の条文がありますよね。売買は財貨移転と対価支払が対価性を有する双務契約ですよね。」と当たり前のことから論を始めます。司法試験は実務家登用試験ですから,同じことです。

問題を読んで,「論点が分からない。」,「あかん」と思ってしまった場合は,関係すると考える条文の前後,場合によっては法文の目次を利用して,章レベル(短答式では使えませんが。)で概括してください。必ず,そこにヒントがあるか,高等司法研究科で学んだこと,講師がしゃべっていたことを思い出すはずです。そこから,諦めることなく,最後まで粘って,チャンスを掴んでください。

「ステップ・バイ・ステップ。どんなことでも,何かを達成する場合にとるべき方法はただひとつ,一歩ずつ着実に立ち向かうことだ。これ以外に方法はない。」(Michael Jeffrey Jordan)

 

実務修習でお会いできるのを,楽しみしています。

 

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