択一試験に向けて

皆様へ

弁護士の川上です。

先日,本年度の司法試験受験を終えた修了生と修習生との懇親の機会があり,その中で,択一試験の話題になりました。これから受験される皆さんにも参考なるところもあるかと思いますので,書き込みします。言い古されてきたこともありますが,直近の体験談ですので,是非,参考にしてください。

なお,話題があちこちに飛び箇条書きでの投稿となりますことご容赦ください。

アドバイザーの先生方へ

勉強方法や心構えなど,いろいろな意見や経験があるかと思いますので,一つ,よろしくお願いいたします。

在学生,修了生の方へ

質問があれば是非,投稿してください。

ここらあたりは,経験者にじゃないと聞けないことですので。

 

・本番を受けた感想として,なにより精神的・肉体的に過酷だった。覚悟はしていたが,本番のプレッシャーはその比ではなかった。真っ白な解答欄,解答用紙を埋めることができるのか,正直びびった。

・論文で心が折れると,択一はどうしようもなくなる。論文がパーフェクトという感触はまずないだろうと思う。どこかで論点落としや論点間違いがあるのが当たり前。それでも択一に全力を出さないと論文を見てもらうこともできない。

・平常時の実力の8割のパフォーマンスしか発揮できないと覚悟しておいた方がよい。

・択一落ちを経験したが,敗因分析の重要性(どの科目で,いくら足りないのか,なぜ足りなかったのか。アクシデントだったのか。勉強不足だったのか。)を先輩から言われていたが,自分がその立場に立って強くそう思った。

・受験生の中で,自分の客観的位置を常に意識する必要がある。受験生の平均と比べてどうか。上位層を比べてどうか。

・受験した者や修習生から見て,三科目となった本年度は特に難しいとは思われなかった。時間が足りないという場合,時間をかけてはならない問題に時間がかかり,メリハリが付いてないのではないか。単純な知識問題は,肢と見比べながらやれば30秒で正解に至る。

・全ての肢を解答する必要はない。その問題の解答に必要な肢を解けばよい。

・時間をかけて解くべき問題と,そうでない問題は早く見極める必要がある。それができないのは勉強不足。

・択一プロパーの問題はあるにはあるが,択一に特化した勉強は不要。条文,趣旨,判例,典型例,主な学説からの帰結を理解しておけば,対処可能。

・ただし,正確な知識が求められる。曖昧な知識では迷うだけで,本番で役に立たなかった。「10の曖昧な知識より,1の確実な知識」は本当だった。

・過去問は重要。どのレベルの知識が,どのように問われているかを認識することができる。「肢別本」もいいが,本番では肢を全部,解答する必要はない。その感覚を掴むには,「出題別」で実際に解いてみるのがよい。どうやって,肢を切っていくのかのトレーニングも重要。

・とにかく判例を知らないとパニックになる。「判例に照らして」という問題が多くあるし,判例を素材しているものも多い。判例というと,批判の対象や暗記と思うかもしれないが,そうではなく,問題の所在(どうして問題となったのか。),判例の論理,基準,あてはめをきちんと押さえておかないと使えない。判旨要旨の文言の暗記だけは論外。憲法では,かなり細かい判例まで問われている。

・できるはずの問題が緊張で,何度読んでも頭に入らずパニックになった。

・同じくパニックになった。こればかりは本番の雰囲気であり,本番でしか体験できないが,模試などできちんと意識をもってやれば疑似体験になったのかとは思う。漫然と模試を受けるのではなく,結果を見返し,これは解けたはず。これが解けなかったから2点失い,落ちたかも知れないと考えるとよい。実際に,択一は僅差であり,4,5点違えば,大きく明暗を分けることは結果から明らかだと思う。

・パニックにならないよう自分はルーチンを決めていた(まず,問題の全部を眺め,配点が大きく時間がかかりそうな問題がどこにあるのかを確認した。)。

・パニックにならないには,結局,自分の勉強に対する自信しかないと思う。これだけやってきた。周りを比べても引けを取らない。大丈夫。と思えるか。

・択一は所詮,択一であり,合否を決するのは論文であることを忘れてはならない。ただし,軽んずると足下をすくわれる。答練などでそこそこの順位の者であれば,きちんと自分の客観的実力を知り,択一対策をしていれば,大丈夫なはず。

・修習生の間では,合格者の多くは択一8割正答という意識があるように思う。だいたい,択一8割得点が,最終合格者のラインと同じようなラインになっているのではないか。8割を意識した勉強をして欲しい。ただ,逆に言えば,2割は間違えても,最終合格に大きな影響はないという意味も考えて欲しい。

・捨て問を如何に有効に使うかも,大切なことと思う。

・択一は,勉強量に比例して点数が伸びると思う。その意味で勉強量は裏切らない。

・三科目時代を見据えると,漏れなく丁寧な勉強しているかが重要。条文や目次を使いながら,どんな制度があり,どんな条文があるかを知識として知って置かなければならない。そして,判例も手を抜かずに,判例勉強としてそれなりに時間をかけてやる必要がある。判例要旨だけでは判例勉強とは言えない。

・論文が気になる冬以降は,まとまった時間が取りにくい。直前期は見返しによる確認が中心となるので,今から秋にかけてやるべきことはやっておくべき。

・やり方はひとそれぞれ。まとめて各科目に時間を取る人もいるし,朝方に10問だけ毎日やった人もいる。

 

こんな感じでしたが,いかがでしたでしょうか?

参考になることがあれば,幸いです。

「択一試験に向けて」への1件のフィードバック

  1. 弁護士の林です。

    私の場合、目標8割(280点)で、結果は268点(公法71 民事法112、刑事法85)でした。後から見直すと、普段なら絶対に間違えるはずのない問題を間違えたりしていましたので、本番で100%を出すのはとても難しいです。
    民事法のときにお腹を壊してトイレへ駆け込んだことをよく覚えています。
    私が受けたときは7科目(350点満点)なので参考にならないかもしれませんが、以下のようなことを考えていました。

    合格ラインは210点~220点程度→250点取れば合格者平均くらいにはなる→100点は間違えてもOK(川上先生から捨て問の話をお聞きし、精神的には相当楽になりました)。

    根拠をもって正誤が判断できた問題(肢)は、何度やっても間違えない→それ以上やる必要なし(出水先生の受売りですが、確かにそのとおりだと思います)。
    逆に、自分のクセのようなものだと思いますが、何度やっても間違える問題がある→捨てるしかありません。

    勉強法は、オーソドックスなものが結局は近道だと思いますが(基本書を丁寧に読む、判例百選をつぶす)、憲法等は判例の細かい部分も問われると聞いていますので、重要判例は補足意見も含めて全文を読むのがいいと思います(論文対策にもなりますので)。
    私は、この時期くらいから、ローのパソコン部屋で使えるTKCの択一練習システムのようなものをやって、間違えたところを復習し、本番までに「間違えやすい項目リスト」(紙数枚程度)を作ってそれを見直すことをしていました(模試や答練は1回も受けたことがありません)。
    個人的には、今もあるのかどうかは知りませんが、「コアカリキュラム」の解答をすべて自力で作成したのが勉強になったのかな、という気がします。

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